SmartHR流「低コスト・短期間」で新規事業の成功率を爆上げする方法

急成長を遂げる「SmartHR」の圧倒的な実績
人事労務クラウド「SmartHR」は、2024年現在、導入企業数は6万社を超え、年間経常収益(ARR)は約100億円を突破。さらに累計資金調達額は約238億円と、驚異的な成長を遂げています。
しかし、スタートは不安だらけだった
この圧倒的な成功を収めたSmartHRですが、最初から特別なリソースや明確な勝算があったわけではありませんでした。
むしろ、スタート時は**「本当にニーズがあるのか?」** と不安だらけの状態だったのです。
「Zenefits」をヒントに、日本の課題解決へ
SmartHR創業者の宮田昇始さんは、当時アメリカで注目されていた「Zenefits」の事例をヒントに、日本の人事労務の課題解決を思いつきました。
ただ、日本にも同様のニーズがあるのかは未知数でした。
そこで、いきなりプロダクトを作るのではなく、「本当にニーズがあるのか?」を事前にテストすることにしました。
SmartHRが実践した「超効率」ニーズ検証ステップ
そこで行ったのが、「簡易的なランディングページ(LP)を作って、市場に広告を打つ」 という方法です。具体的にどんなことをしたかと言うと...
① わずか半日で簡易LPを作成
- ツール: WordPress(3,000円のテンプレート) + Googleフォーム
- 内容: プロダクトはまだ何も作らず、サービスの概要と登録フォームだけを設置
- 期間: たったの半日
② Facebook広告で潜在顧客にテスト配信
- 投資額: 2万円
- ポイント: 細かくターゲットを絞って配信
- 工夫: ノイズを避けるため、自分たちのSNSなどでは一切告知を行わず、完全に潜在顧客の反応だけを観察
③ 短期間でニーズの有無をスピード確認
- 結果: なんと、わずか2週間で125件もの事前登録を獲得!
- 宮田さん自身も驚くほどの反応で、これにより市場のニーズを確信。
- さらに、登録者に対してヒアリングを実施し、30〜40件もの深いインタビューに成功。本当に解決すべき課題が明確になったのです。
【結論】勝ち筋を見極めてからビジネスを作るべし
もちろん、この方法を取ったからといって、全てが順調に進むわけではありません。
実際SmartHRも、事前登録したユーザーがすぐに顧客になるとは限らず、初期の顧客獲得には苦労もありました。
ただ、そもそも「市場にニーズがあるのか?」を最初に確認することが極めて重要です。
どんなに努力をしても、需要がなかったら、事業は成り立ちません。準備に欠けた時間は全て無駄になってしまいます。
SmartHRが証明した「成功の法則」
SmartHRが証明したのは、「まずは低コストで素早く市場の需要を確認し、その後プロダクトを市場にフィットさせていけばいい」 ということです。
需要があることが分かれば、あとは顧客と対話をしながら徐々に改善し、成長を実現できます。
新規事業を考えているあなたへ
もしあなたが新規事業を立ち上げるのであれば、まずはSmartHRのようにLPを使った需要予測からスタートすることを強くおすすめします。