【実録】なぜD2Cは屋外広告を出す?指名検索を増やす本当のカラクリ

こんな投稿があったのですが、こういう認知施策が大事って言うふうにみんな勘違いしているので、注意喚起というか実際の現場で起きていることを、お話ししたいと思います。
実は、僕自身「セノッピー」のような業態のクライアントを支援し、月間数万件の新規顧客獲得を実現してきた経験があります。
その経験から率直に言うと、屋外広告やテレビのスポンサーといった施策だけでは、指名検索はそれほど増えないという印象です。(特に、お悩み解決型の商品の場合。この理由は後ほど詳しく解説します。)

なぜセノッピーは看板広告を出すのか?

では、なぜセノッピーのようなD2Cブランドが、一見効果の薄そうな看板広告などを展開するのでしょうか?
それは、直接的な認知獲得そのものよりも、広告で活用できる「権威性」や「信頼性の証拠」を作るためなのです。

指名検索が増えるまでの「勝利の方程式」

 
D2Cブランドで指名検索数が増える背景には、実は以下のような戦略的な流れが存在します。

STEP 1:広告のための「証拠」を作る

  • 屋外広告の実施: (例:「あの山手線でもPRされました!」)
  • テレビスポンサー契約: (例:「TVCMも絶賛放送中です!」)
  • 芸能人キャスティング: (例:「人気タレントの〇〇さんも愛用!」)
これらの活動を通じて、商品やサービスに対する「信頼の証」を積み重ねます。
 

STEP 2:「証拠」を武器にWEB広告で刈り取る

  • 上記で得た「証拠」を最大限に活用した記事広告や動画広告を、主にWEB広告で集中的に展開します。
  • 「証拠」の有無で、WEB広告の成約率が2倍以上になることも珍しくありません。
  • 結果として、月間1000万円しか投下できなかった広告予算が、5000万円規模で回せるようになる、といった飛躍的なスケールアップが可能になります。
 

STEP 3:結果として、指名検索が増加する

  • WEB広告での大規模な露出と高い成約率が、結果的に「商品名で検索してみよう」という行動を促し、指名検索数の増加に繋がるのです。
つまり、事実上、指名検索を増やしているのは、リアルな認知獲得活動そのものではなく、それらを「信頼の証」としてフル活用したWEB広告の力と言えるでしょう。
 

実際の体験談:リアル施策とWEB広告の相乗効果

 
私自身も、過去にクライアント案件で山手線での動画広告、テレビCMの放映、ポップアップイベントの開催などを手がけましたが、それ単体で検索数や売上が爆発的に伸びたという印象は、正直なところ強くありません。
しかし、これらのリアル施策を「WEB広告で効果を最大化するための強力な武器」と捉え、積極的に活用することで、新規顧客をガンガン獲得できるようになり、結果として指名検索経由でもコンバージョンが取れていました。
(私の経験では、直接コンバージョンのおおよそ20%程度が指名検索経由でしたが、セノッピーのようなお悩み解決型D2Cの場合、30%~50%が指名検索に繋がる印象です。)

D2C商品とマス広告の相性について

特にD2C系の商品は、非常にニッチな悩みを解決する特性を持つため、不特定多数に向けたマス広告(テレビCMや大規模な屋外広告など)とは、そもそも相性が良くないケースが多いです。
端的に言えば、マスの中に「その商品を今すぐ欲しい!」と思っている人が少ないからです(笑)。
ですから、特にD2Cブランドにおいては、駅の屋外広告や小規模なテレビCM枠だけで指名検索数が大幅に増加するということは、あまり期待しない方が良いかもしれません。それらはあくまで、WEB広告の成約率を高めるための「布石」と捉えるのが賢明です。